従来WisteriaHillでは、AR(拡張現実)のアプリをAndroidプラットフォーム用に作っていましたが、

今回は趣向を変えてWeb公開してみます。

コンテンツ作成にはSATCH Studioではなく、TOTAL IMMERSIONのD'Fusion Studioを使ってみます。

またWeb公開用データ作成に、D'Fusion @Home Webを使います。

ローカルで必要なのはプラグインですが、これは初回時にアクセスした際、インストールが要求されます。

問題なければインストールを実行しておいてください。



作り方

コンテンツ作成には、D'Fusion Studio(Free)を使います。

TOTAL IMMERSIONのサイトからダウンロード・インストールしてください。

D'Fusion Studioの起動画面はこんな感じ(SATCHといっしょ)。





SATCHを使い慣れている方はプロジェクトを再読み込みする場合は、注意しましょう。間違ってSATCHで読み込んでも画面が似ているので気づかない場合があります。
間違ってSATCHでシナリオを作ってしまうと、実行時以下のようなメッセージが出ます...気づかないとしばらくは混乱します。 <





適当にプロジェクトを作成してください。

コンテンツ作成の仕方はSATCHと同じなので、この辺のページを参考にしてみてください。

アンドロイドでARのSDKを使ってみる

コンテンツが作成できたら、シナリオとしてエクスポートします。

まず、「Add Target」を「@Home」に変更。





自動的に「All Platforms」に変わります、これはこのまま。





シナリオをエクスポートしますが、エクスポート先のフォルダー名を、例えば「Scenario_w」とかにしておきます。


Web公開用の準備をする

D'Fusion @Home Webを使って、エクスポートしたシナリオを公開用に加工します。

TOTAL IMMERSIONのサイトからダウンロード・解凍してください。

ダウンロードするためにはログインする必要があります。まだの場合はアカウントを取得しておいてください。





ログイン後、ダウンロードページに移動します。





「D’Fusion @Home Web」 をダウンロード(2012/11/11現在、バージョンは3.25)して、
解凍しておきます。

シナリオを加工します

加工場所のフォルダーを適当に作っておきます。

このフォルダーに先ほどのシナリオ(Scenario_w)を移動。

このフォルダーに加工用のツール(PrepareFolderForUpdate.exe)をコピーしておきます。
(PrepareFolderForUpdate.exeは、先ほど解凍したフォルダー内のWeb/Toolsにあります)

最後に公開用の空フォルダーを作っておきます、例えば「publish_w」。
公開用のフォルダーは無ければ勝手に作ってくれるようです。

DOS窓を開いて、以下のコマンドを実行。

<加工場所のフォルダー>/PrepareFolderForUpdate.exe -i Scenario_w -o publish_w


Web公開する

公開に必要なのは、DFusionHomeWeb_3.25_0/Web/onlineフォルダー内の以下のフォルダー/ファイルです。

DFusionWebPlayerフォルダー
DFusionWebPlayerMacOSXフォルダー
jsフォルダー
pluginフォルダー
sampleAR2_Test.htmlファイル


sampleAR2_Test.htmlファイルを開いて一部を修正します。

<script language="JavaScript">
    var player = tiMacOSXSupported()?"DFusionWebPlayerMacOSX/DFusionWebPlayer":"DFusionWebPlayer/DFusionWebPlayer";
    tiGenerateDFusionWebHTML(
        "plugin_dfusion_instance",
        640,480,
        player,
        "scenario_test/project.dpd", <--ここを修正
        "ChooseCamera",
        "ReadyToStart",
        "true"
    );
  </script>


sampleAR2_Test.htmlファイルを改名します(index.htmlみたいな感じ)。

公開のためのWebサイトに、これらのフォルダー/ファイルと先のpublish_wを同じ場所にアップロードしておきます。

以上。



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サンプル

以下のようなサンプルサイトを作ってみました。

Webカメラを準備(基本的にはたいてのWebカメラでOK)。

MEMORIESのポスターをトラッキングしてバラを表示

初回アクセス時にプラグインをインストールするようメッセージダイアログが出ます。





常識的なことしか書いてませんので、適当にインストールしてください。

プラグインがあればロードが開始されます。








Webカメラをトラッキング画像に向けます。



バラが表示されます。





無償版の環境を使っているため、「D'Fusion」のロゴが出たり消えたりします。
Pro版にすれば出なくなるそうです。

で、Pro版っていくら?探してもどこにも書いていない...。

日本語サイトはここで、製品について書いてあるのだが、 価格が不明(時価か?)

問い合わせないとだめなのかね...。


調べてみたところ、どうも売り切りということではなくライセンス制のようですね。

月単位・年単位で使用期間に応じた価格体系があるみたい。ということは制作会社が入るとなると、開発費+メンテ費+ライセンス料という感じでお値段が決まると...。

因みにある制作会社の場合

参考ライセンス料金:
PC版 350万円/年間、データ変更による再暗号化処理費用 50万円/回

となっている

この価格の中には開発費やらTOTAL IMMERSIONに支払う分も入っていると思われるので、開発費を差っ引いてライセンス費は多分7掛け位とするなら、100万ちょい/年なんじゃあるまいか?

どうなんでしょうね、下世話な話ですが。

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