Jetson Nanoで学習済みモデルを使って、いろいろやってみる(2-1)転移学習(ResNet-18)


Jetson Nano を使って転移学習をやってみます。

転移学習とはなんぞや(分かってる人には分かりやすく、分かってない人には分かりにくい説明^^)。

このページで作成しておいた、Jetson Nano(4GB)+Jetpack(4.4.1) + NVIDIA Container + Pytorch + TensorRT の環境です。

転移学習でモデルを再トレーニングする場合、メモリを大量に消費するのでデスクトップ環境は使いません。

CUI環境に変更します。また、CPU・GPUがフルに稼働するので冷却ファンは必須です。


Swapは4GBほど確保しておきます。

永続化します。

 


Disabling the Desktop GUI

Jetson NanoのRAMメモリは4GBしかありません。

メモリを節約するため、Desktopを停止して、CUIでやってみます。

以下を実行することで、ウィンドウマネージャーとデスクトップが使用する余分なメモリが解放されます。

Nano 2GBではなぜかinitが効きませんでしたので、CUI環境は以下のように設定します。

sudo systemctl set-default multi-user.target

sudo reboot

GUIに戻す

sudo systemctl set-default graphical.target

sudo reboot

 

CUI画面になります(2バイトキャラは文字化けしています)。

jetson-statsで実行状況をモニターしたり、スクリーンショットを撮ったりする場合は、仮想コンソールや、SSHを使います。

複数のコンソールを開く場合は、仮想コンソールなら、Alt + F2~F6で開きます。Alt + F1 で初期コンソールに復帰します(chvt 番号でも可)。

あるいは、Tera TermなどでSSHを複数接続して開きます。

 

CUIの環境ならメモリーはこの程度(約700~800MB、2GB版のLXDEなら300MBくらい)節約できます。

Desktop使用時

Desktopを使わない場合

 


Dockerを起動

Dockerの作成などはこのページをご参照ください。コンテナ名はmy_cont にしています。

Is the docker daemon running? というメッセージが出たら以下を実行。

sudo dockerd

 

 


【転移学習(Transfer Learning)】

Re-training on the Cat/Dog Dataset

Cat/Dogのデータセットを再トレーニングします。

ResNet-18を使ったイヌ科とネコ科の2クラス分類です。

以下は、独自のデータを収集して独自のカスタマイズされたモデルを作成することに加えて、転移学習を使用していくつかのサンプルデータセットでモデルを再トレーニングするためのステップバイステップの手順です。

Downloading the Data

トレーニング用のデータセットをダウンロード

Cat と Dog それぞれで、

学習用データ:2500枚 x 2

/jetson-inference/python/training/classification/data/cat_dog/train/cat

/jetson-inference/python/training/classification/data/cat_dog/train/dog

 

検証用データ:500枚 x 2

/jetson-inference/python/training/classification/data/cat_dog/val/cat

/jetson-inference/python/training/classification/data/cat_dog/val/dog

 

テスト用データ:100枚 x 2

/jetson-inference/python/training/classification/data/cat_dog/test/cat

/jetson-inference/python/training/classification/data/cat_dog/test/dog

 

 

 

Re-training ResNet-18 Model

RessNet-18 モデルを使って再トレーニング

モデルのresnet18-5c106cde.pth はtrain.py の実行中にダウンロードされます。

epoch数はデフォルトで35、再トレーニングは大体4時間くらいが想定されます。

Nano 4GBで大体4時間、2GB版ならSwapを使うことになりますが、それでも4時間半くらいで実行完了しました。

 

jetson-statsを見てみます。

GPUはフル稼働状態です。メモリはCUIのみの環境なので余裕がありますが、デスクトップ環境で使っていれば、ほぼ満杯状態だと思われます。

冷却ファンは必須です。無いと回路周りの温度が60度くらいになって、Warningが出続けます。

トレーニングは中断->再開ができます。

Ctr + C で中断。

再開する場合は resumeオプションを使います。引数の並びはこうです。

epoch-start(マニュアルでは start-epoch)はオプションであり、厳密には必須ではありません….だそうです。

Cat/Dog の場合はこうです。

 

epoch の途中で中断した場合、再開はepoch の初めからになります。

再トレーニング終了

 

 

 

train.py のマニュアル

 


Converting the Model to ONNX

再トレーニングされたResNet-18モデルをTensorRTで実行するには、PyTorchモデルをONNX形式に変換して、TensorRTがロードできるようにする必要があります。

以下を実行。

ONNXモデルは以下に新規に出力されています。

/jetson-inference/python/training/classification/models/cat_dog/resnet18.onnx

 

Processing Images with TensorRT

TensorRTで画像を処理します。

推論実行。

X11への接続が要求されますが、無くてもOKです。

imagenet.py --model=models/cat_dog/resnet18.onnx --input_blob=input_0 --output_blob=output_0 --labels=data/cat_dog/labels.txt data/cat_dog/test/cat/01.jpg cat.jpg

初回はresnet18.onnxが読み込まれてコンパイルされるので少々時間がかかります。コンパイル後のモデルはresnet18.onnx.1.1.7103.GPU.FP16.engineなどの名前で保存されています。

 

 

 

以下に出力されています。

/jetson-inference/python/training/classification/cat.jpg

Dogの画像はどうでしょう。

 

 

Processing all the Test Images

テスト画像(100枚)をすべて使って検証してみます。

出力用のフォルダーを作っておきます。

実行。

imagenet --model=models/cat_dog/resnet18.onnx --input_blob=input_0 --output_blob=output_0 --labels=data/cat_dog/labels.txt data/cat_dog/test/cat data/cat_dog/test_output_cat

imagenet --model=models/cat_dog/resnet18.onnx --input_blob=input_0 --output_blob=output_0 --labels=data/cat_dog/labels.txt data/cat_dog/test/dog data/cat_dog/test_output_dog

結果を確認しました、こんな感じ。

ネコ科の正解:61/100

イヌ科の正解:79/100

イヌ科はチュートリアルに近い正解率ですが、ネコ科が低いです。

テスト画像にイヌ科の動物(タヌキやキツネ)が居ないか少なかったから?

 

epoch を60にして再トレーニングしても結果は同じでしたね。

現在、ネコ科(2500)、イヌ科(2500)ですが画像を増やしてやってみる必要がある…..かも。

 

下記のGenerating More Data (Optional)にあるスクリプトを使って訓練画像5000枚/epoch 35で再トレーニングしてみましたが正解率はだいたいこんなものでした。テスト画像を再生成して5回ほど検証してみた結果では正解率はネコ科で60%程度に収まりました。

 

 

Running the Live Camera Program

カメラプログラムを実行して、それがどのように機能するかを確認できます。

ホスト側でX セッションへのアクセスを許可。

ラズパイ用のカメラ(V2)

imagenet.py --model=models/cat_dog/resnet18.onnx --input_blob=input_0 --output_blob=output_0 --labels=data/cat_dog/labels.txt csi://0

USBカメラ(単体で接続している場合、カメラ番号は0)

imagenet.py --model=models/cat_dog/resnet18.onnx --input_blob=input_0 --output_blob=output_0 --labels=data/cat_dog/labels.txt /dev/video0

 

 

Generating More Data (Optional)

Cat / Dogデータセットの画像は、cat-dog-dataset.shスクリプトを使用して、ILSCRV12のより大きな22.5GBサブセットからランダムに取得されました。 この最初のCat / Dogデータセットは、トレーニング時間を短縮するために意図的に小さく保たれていますが、このスクリプトを使用すると、追加の画像を使用してデータセットを再生成し、より堅牢なモデルを作成できます。

Cat / Dogデータセットを拡張する場合は、最初にここからソースデータをダウンロードします。

データセットが大きいほどトレーニングに時間がかかります。

 


Next1

ここでは事前学習モデル(Pre trained Model)はResNet-18が使われています。

違うモデル(SSD-Mobilenet)を使ってみます。

Re-training SSD-Mobilenet

 


Next2

自前の学習データを収集してやってみます。

Collecting your own Classification Datasets

便利なツールをご用意しました…….とあるので使ってみます。

カメラ画面からデータを作成

 


Next3

Deep Learning Nodes for ROS/ROS2

ROS/ROS2(Robot Operating System)でディープラーニング処理(process/thread)

SLAMに続く

 


Jetson Nano(2GB)冷却ファン

 


Appendix

NVIDIAのTransfer Learing についてはここも参照

NVIDIA Transfer Learning Toolkit

TLT(Transfer Learning Toolkit)のコンテナーはx_86アーキテクチャーのプラットフォームでのみ実行できます。TLTでトレーニングされたモデルは、Jetsonを含むすべてのNVIDIAプラットフォームにデプロイできます。


 

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