ハードで共有する手段はいくつかありますし、ソフトでもSynergyやInputDirector、Mouse Without Bordersなどが有名ですね。
ただソフトで対応する場合、OSが異なっているのを横断的に使うとなると限られてきます。
ここでは、こんな条件で共有してみます。
Windows 10 (64bit)
Jetson Nano(Jetcard/Ubuntu)
Raspberry Pi 4B(Raspbian/Debian)
Windows 10(64bit)と Debian・Ubuntuの間で共有できるものとして「Barrier」がありました。
Synergyからフォークされたものだそうです。
ただしBarrierは32bit版Windowsでは使えません、この場合はInputDirectorやMouse Without Bordersを使います。BarrierとInputDirectorなどは運用でカバーすれば共存できます。
目次
Windows 10 (64bit)をサーバーにします。
インストール
Windows側
Githubで、BarrierSetup-2.3.3-release.exeをダウンロードしてインストール
サーバー設定でインストールします。
インストーラを起動します。
言語は日本語
サーバーにチェック
MacじゃないのでBonjouは使いません。
SSLは解除しておきます。
設定が終わったら、サーバーとして起動します。
ラズパイ(Debian)側
sudo apt install barrier -y でもインストールできるようですが、ここではソースからビルドしてみます。
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sudo apt update && sudo apt upgrade |
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sudo apt install git cmake make xorg-dev g++ libcurl4-openssl-dev \ libavahi-compat-libdnssd-dev libssl-dev libx11-dev \ libqt4-dev qtbase5-dev |
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git clone https://github.com/debauchee/barrier.git |
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cd barrier ./clean_build.sh cd build sudo make install |
ラズパイを再起動すれば
アクセサリから起動できますし、ターミナルからならbarrierで起動可。
設定します。
言語は日本語。
クライアント側にチェックを入れて終了。
Barrierの画面が開いたらサーバーと同様に「Change Settings」します。
SSLを解除しておきます。
Auto Configを解除して、サーバー側のIPアドレスをセットして開始します。
IPアドレスを入力後、Auto Configにチェックを入れておきます。
*Ubuntu の場合、こういうのもあります
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sudo apt update sudo apt install snapd sudo snap install barrier |
Jetson(Ubuntu)側
Ubuntuのaptリポジトリにはありません。インストールはflatpakで行います。
flatpakの場合、常に最新版が使用でき,バージョンの統一が容易だそうですのでこれを使ってみます。
PPAを追加 します。
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sudo add-apt-repository ppa:alexlarsson/flatpak |
必要なパッケージをインストール
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sudo apt install flatpak gnome-software-plugin-flatpak |
Flathubのパッケージがあるリポジトリを追加
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flatpak remote-add --if-not-exists flathub https://flathub.org/repo/flathub.flatpakrepo |
再起動
softwareでbarrierを探してインストールします。
source:dl.
「install」ー>「launch」を実行
ラズパイの時と同様に
「日本語」ー>「Client」でFinishします。
「Change Settings」のwindowを開きますが、メニュを右クリックしても項目が見当たらない場合はF4キーを押してみてください。
設定が開いたら「Enable SSL」のチェックを外してOKをクリック。
「Auto config」のチェックを外して、サーバーのIPアドレスを入力
「Auto config」にチェックを入れて、開始します。
Barrierの再起動
2GB版のイメージの場合、デスクトップが異なります(軽量なLXEDが使われています)。
設定ー>Sotware->Barrierを検索してLaunchを実行
注:
サーバーIPの情報などはBarrier.confのデータから再読み込みされます。Barrierを再起動した時に何も表示されていない場合は、Barrier.confが保存されていない可能性があります。
以下をダウンロードしてサーバー・クライアントのスクリーン名を書き換えてユーザーディレクトリに置いてください。Barrier起動時に読み込まれてIPアドレスなどがセットされます。
サーバー側での設定
クライアントがサーバーから見て、どちらにあるのかを設定します。
クライアントを設定するために、アイコンをドラッグ・ドロップします。
ダブルクリックして個別に設定
どちらの方向からクライアントに入るか決めます。
赤丸で囲った方から入ることになります。
GUIのメニュはどちらもメニュバーにアイコンが表示されていますから、ここをクリックして「開始・停止・隠す・表示する・終了する」を実行します。
自動起動
●Barrier のWindows側サーバーを自動起動させる場合はバッチファイルを作ってスタートアップに登録しておきます。
サーバー側を自動起動にする必要はほぼないとは思うのですが…….。
【barrier.bat】
フツーにインストールした場合
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C:\Program Files\Barrier\barrier.exe |
スタートアップフォルダーを開きます。
start 右クリック-> 「ファイル名を指定して実行」->shell:startup
バッチファイルをここに作るか、ショートカットを登録
Windowsを再起動
●Barrier のラズパイ(Debian)側クライアントを自動起動させてみます。
GUIアプリなのでautostartに設定します。
Raspbian Buster以降でのautostart設定
autostartファイルの雛形を、ホームディレクトリのコンフィグにコピーします。
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mkdir -p ~/.config/lxsession/LXDE-pi cp /etc/xdg/lxsession/LXDE-pi/autostart ~/.config/lxsession/LXDE-pi/ |
~/.config/lxsession/LXDE-pi/autostartファイルに実行したいコマンド名を追記。
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sudo nano ~/.config/lxsession/LXDE-pi/autostart |
以下を登録
@/usr/local/bin/barrier
nanoを閉じて、ラズパイ再起動
●Barrier のJetson(Ubuntu)側クライアントを自動起動させてみます。
UbuntuのGNOME環境で、flatpak版Barrierの場合
まず以下のファイルを編集するので、一度ホームにコピーしておきます。
sudo cp /var/lib/flatpak/app/com.github.debauchee.barrier/current/active/files/share/applications/com.github.debauchee.barrier.desktop ~/
ファイルをエディタで開きます。
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sudo nano ~/com.github.debauchee.barrier.desktop |
以下の部分を編集
Exec=flatpak run com.github.debauchee.barrier
移動します。
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sudo mv ~/com.github.debauchee.barrier.desktop /etc/xdg/autostart/ |
Jetsonを再起動
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